伝染性単核症について

伝染性単核症とはEBウイルス(エブスタインーバーウイルス)と呼ばれるウイルスが感染しておこる病気で、発熱、のどの痛み、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。

3才以下でこのウイルスの感染を受けても不顕性感染といって症状が現れることはほとんどありません。8割の方は3才未満で感染するためにこの不顕性感染となりますが、4才を過ぎて感染すると種々の症状を伴ってきます(顕性感染)。4ー7才がもっとも多く、大人になっても発病することがあります。

ウイルス保有者の唾液や指から経口的に感染し、10ー14日の潜伏期間を経て発病します。症状としては、発熱、だるさ、のどの痛みなどで始まります。急性扁桃炎とよく似た症状ですが、熱は39ー40度と高いことが多く、のどの痛みも強い傾向があります。発症後2週間ほどたつとさらにリンパ節の腫れ、肝臓や脾臓の腫れ、発疹などが現れてきます。

発症初期には、通常の扁桃炎との鑑別が困難なことが少なくありません。一般には、写真のように扁桃は大きく腫大し、表面に白く厚い偽膜が形成されます。また、首のリンパ節が多数腫大します。また、何よりも通常の扁桃炎と異なり、いくら抗生剤を投与しても、発熱や痛みなどの症状が軽減しません。採血して調べると、異型リンパ球と呼ばれる特徴的な形態をしたリンパ球が増加し、ときに貧血や血小板減少が見られることがあります。また、しばしば肝機能障害が認められます。

EBウイルスに効く薬はありません。特に、アンピシリン(ABPC)を 内服すると薬疹を生じて、鮮明な浸出性紅斑様皮疹や丘疹などを生じることがあります。もっぱら安静と、熱には解熱剤、痛みに対しては鎮痛剤といった対症療法をおこないます。高熱や痛みが持続して十分に食事が出来ないときや、肝機能障害が著しいときなどは、入院が必要となることもあります。

ほとんどの場合は経過良好で、後遺症なく2ー3週間で治癒します。しかし、非常に稀ですが脾臓破裂や重篤な神経疾患を合併することがありますので、注意が必要です。