ヘルパンギ-ナについて

ヘルパンギーナとは夏かぜのひとつで7、8月を中心に、晩春から夏にしばしば流行します。コクサッキーウイルスの感染によっておこり、5歳までの乳幼児が90%を占めています。

3ー5日の潜伏期の後、突然39度前後の発熱が出現します。それと共に、咽頭痛、食欲不振、頭痛などを訴えます。また、25%程度の小児には嘔吐もみられます。

診断は発熱と同時、または少し遅れてのどの奥の粘膜に右図のような発赤を伴った灰白色の水疱や潰瘍が認められることで分かります。{ちなみに、ヘルプとは小さな水疱、アンギーナとは扁桃口峡部(のどの奥の狭くなった部分)の炎症反応の意味です。}

予後は良好で、大半の小児では2ー3日で解熱し、のどの潰瘍もおよそ1週間以内には消失します。

ウイルスに効く薬はありませんので、発熱、のどの痛みなど、出てきた症状に対する対症療法が主体となります。乳幼児では拒食による脱水に注意しなければなりません。食事は柔らかで味の薄い冷たいものが良いでしょう。

咽頭の分泌物や便中に排泄されたウイルスによって飛沫感染、経口感染しますので、症状のあるうちは登校を控えなければなりません。